【audio-technica】ノイキャンをはじめとして性能盛り盛りの完全ワイヤレスイヤホン!audio-technica「ATH-ANC300TW」をレビュー【aptX TWS Plus対応】

2021年6月26日

こんにちは!

今回は、昨年5月ごろにオーディオテクニカから発売されたワイヤレスイヤホン「ATH-ANC300TW」をレビューしていきます!

このイヤホン、規格面でも機能面でも、とにかく色々なものに対応しています!価格もその分高くはなっていますが、コストパフォーマンス的には他社のハイエンドTWSイヤホンをも凌ぐと思います。今回は、各機能についてできるだけ詳しく解説していきます!

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それでは見ていきましょう!

外観

外箱

外箱はこんな感じです。

QUIETPOINTとはオーディオテクニカのノイキャン規格の商標らしい

側面や裏面には、割と詳細なスペックが書いてあります。

箱側面。内容物やaptXの記述がある
箱裏面。出力音圧などマニアックなことまで書いてあるのはオーテクっぽい

箱に書かれている情報が多いほうが店頭で購入する際に参考にしやすいのでいいですね。

内容物

箱を開けると、こんな感じです。

内容物としては、

  • 本体&充電ケース
  • イヤーピース(XS~L,Mは本体に予め装着済み)
  • 完全ワイヤレスイヤホン用Conply フォーム メモリー イヤーピース(M)
  • 説明書類
  • USB-A to USB-Cケーブル(30cm)

となっています。充電がUSB-Cなのはありがたいです。

操作は物理キーで行う

操作ボタンの具体的な機能については後述しますが、ボタンが物理キーなのは個人的に非常に高得点です。タッチ式は壊れにくくはあるかもしれませんが、やはり誤作動してしまうことが多いと感じます。押し心地も固めで、うっかり押してしまうようなことがないのはとても気に入っています。

一方で、防水防塵性能はIPX2と低めなので、豪雨の中で使ったり間違って選択してしまわないようにしましょう。

左から、final Eタイプ,Comply(付属のやつ),付属のイヤーピースMサイズ

付属のイヤーピースは浅く、自分の耳にはどれもイマイチ合わなかったので、今はfinalのEタイプを使用しています。

↑final Eタイプはこちらから

このイヤホンに限りませんが、TWS用を謳っている

機能

接続

接続コーデックなどについてみていきます。

aptX

接続コーデックとしては、SBC,AACに加えてaptXに対応しています。

各規格についてはコチラのサイトなどを参考にしていただきたいのですが、簡単に言うと従来の接続方法より音質が向上し、遅延が少なくなります。スペック上の遅延は80msほど、感覚でも100ms弱といった感じです。音ゲーもギリギリできるくらいの遅延で、FPSゲームやYouTubeの視聴などは全く問題なくできるタイムだと思います。さらに低遅延のaptX LLaptX HDなどには対応していません

TWS Plus


さらに、特に完全ワイヤレスイヤホンの接続性の改善に寄与する接続方法であるQualcomm TWS Plusに対応しています。

上の図を見てもらえばわかるように、従来の接続方法ではスマートフォンは左右どちらか一方に接続され、その後もう片方のイヤホンへとデータが転送されていきます。しかしこの方法では、左右の出力に僅かなずれが出たり、片側だけ聞こえなくなったりといった症状が出ることがあります。

一方でTWS Plusでは、左右のイヤホンをそれぞれ別々のデバイスとして接続することで、これらの症状を防ぐ、または軽減することができます。

この接続方法については、再生機器側ももちろん対応している必要があります。それぞれのデバイスによって確認方法も異なるのでそこはご自身で調べていただくしかないです。

ちなみに、正常に接続されていれば以下のように表示されます。

aptXとTWS Plus両方に対応しているのが特に大きいですね。というのも、aptXなどのコーデックはより多いデータ量を転送できる一方で接続性が悪くなるのがデメリットのため、それを補うTWS Plusは非常に相性がよく、いい音質で快適に音楽を聴くことができます

自分のスマートフォンなどが対応しているか確認するには、このイヤホンを試聴できる環境で実際にスマートフォン等に接続してみるのが一番早いと思います。

ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリング機能もついています。後述するアプリでシチュエーションを選択でき、本体側面のボタンで外音取り込みと切り替えたり、オフにすることも可能です。

無音作動時のホワイトノイズも従来の機器よりかなり少なくなっていると感じますが、全くの無音というわけではないです。

ノイズキャンセルの強さとしては、最高峰と言われるSonyやAppleと比較すると少しだけ落ちるかもしれませんが、かなりの音をカットしてくれます。昨今はあまり機会がない方もいると思いますが、電車や飛行機などに乗っているときに特に有用だと感じます。この辺りも説明が難しいので気になる方は試聴をおすすめします。

ヒアスルー

いわゆる外音取り込み機能です。イヤホンのボタンを1回押すだけで起動できます。買い物のお会計のタイミングなど、ちょっとしたときにすぐにオンできるので便利です。切替は一瞬とはいかず、1~2秒の時間はかかります。

音量は十分に確保できますが、自然に聞こえるかというとそうでもなく、特にエアコンの音など、イヤホンをつけていないときは気にならない音が大きくなったりはします。ただ、僕の用途のようにちょっとしたタイミングで使うだけなら何ら問題ないかなと思います。

通話

最近の完全ワイヤレスイヤホンでは一般的ですが、マイクを内蔵しているので通話もできます。マイク音質は普通ですが、Qualcomm cVcと呼ばれる外部ノイズ抑制機能を搭載しているので聞き取りやすくはなっています。

「Connect」アプリ

公式アプリ「Connect」を連携することができます。いくつかの設定の変更などを行えます。

接続時アプリメイン画面

「製品を探す」機能

接続機器とイヤホンとの接続が切断された位置が記録されます。イヤホンが見当たらず、自分で切断した覚えもない地点の近くにイヤホンがある、といった感じで補助的ではありますが場所を絞り込むことができます。本体にGPSなどが入っているわけではないので注意が必要です。

接続方式設定

SBCやAACといったコーデック設定の変更が行えます。しかし、aptX TWS+で接続中はほかの方式に設定できません。恐らくSBCやAACではTWS+が使えないことが原因だと思いますが、現状役に立たない機能になっています。

ノイズキャンセリング/ヒアスルー設定

ノイズキャンセリングのオン/オフや、シチュエーションの設定、ヒアスルー音量の設定が行えます。

傾向の違いもあるとは思いますが、Airplaneがノイズキャンセルのかかりが一番強い感じがするので自分は普段からAirplaneで使っています。ヒアスルーはLow,Medium,Highの中から音量が選べます。自分はMediumで運用しています。

キーアサイン

キーアサインは、ボタンの機能を設定する項目です。

個人的にこのイヤホン唯一の残念ポイントと言ってもいいのがここで、アサインといいつつほとんど設定できません。標準のアサインか、左右を反転させたアサインの2種類だけで、変更は一切できません。めちゃめちゃ使いにくい設定というわけではないのですが、できれば色々変更できるようにしてほしかったところです。

その他

音声ガイドやオートパワーオフといった項目がありますが、いずれもON/OFFの設定のみで、タイマー等の設定もできません。

また、イコライザー等の機能もないので、再生機器側での調整となります。

音質

最後に、最も大事な音質についてのレビューです。

まず、音の傾向としては全体的にオーテクらしいフラットなサウンドです。普段からSonyなどの重低音多めのイヤホンを好む方には若干物足りないかもしれません。その分、中高域もしっかりと鳴っている印象です。

米津玄師「感電」では、色々な音域の音が使われていますがどれもバランスよく器用に鳴らす印象です。
また、比較的音の奥行きの表現がうまく、各楽器の位置がわかるような感覚です。

緑黄色社会「Mela!」は、イヤホンによってはかなりボーカルが前に出てくるんですが、このイヤホンではそんなに出すぎずといった感じで、とにかくボーカルを聴きたいという方には少し物足りないかもしれません。一方で、バスドラムやタムのキック感が強めで、個人的にはかなり好みな鳴り方でした。ベースの低域は下のほうが少しだけ籠っているかな?という感じです。

YOASOBI「怪物」の冒頭のベースシンセはこのイヤホンにピッタリですね。ボーカルをつぶさないようにしつつもエッジの効いた低音を鳴らしてくれます。サビもボーカル、ドラムス、シンセそれぞれがバランスよく聴こえてくる印象で聴きやすいです。2番の掛け声が入るようなパートも、バンドメンバーの後ろから声が出てくるような感じで臨場感があります。

総評

いいところ
  • TWS+対応で接続性向上
  • aptX対応で音質も良い
  • ノイズキャンセリング’・ヒアスルー機能
  • 物理ボタンによる操作
イマイチなところ
  • Qi充電には非対応
  • ボタンアサイン設定が不十分
  • 付属のイヤーピースが浅め

まとめ

いかがだったでしょうか?

個人的には、もっと売れてもいい商品なのにいまいち話題になっていない感じがします。TWS+とか、気にしてる人あんまりいないんでしょうか?接続の安定性とかって結構重要な項目だと思うのですが…。

ともかく、目立った欠点のない優秀な完全ワイヤレスイヤホンだと思いますので、ちょっと高いイヤホンに手を出してみたいという方は是非一度試してみていただきたいです。

それではまた次回の記事でお会いしましょう!